こちらのページでは、筆者の経験から全年齢の小説同人誌の部数の実態がどのようなものか解説しています。
全年齢の小説同人誌は頒布部数が少なくなる
pixivのブクマ数などから分かる通り、全年齢の小説同人誌の頒布部数は成人向けのものより少なくなる傾向があります。
普段成人向けの話を書いている方が全年齢の小説を投稿すると、普段のブクマ数の半分しかもらえなかった…というのも珍しくありません。
成人向け作品の需要の方が非常に高く、成人向けでなければそもそも読んですらもらえない場合も多いのです。
そのため、基本的に全年齢の小説同人誌は成人向けより頒布部数が少なくなります。
全年齢の小説同人誌を頒布するのに向いている人
全年齢の小説同人誌を頒布するのに向いているのは以下のような人です。
以上について解説します。
未成年だが同人誌を作ろうと思っている、制作関係者に未成年がいる
こちらはもう、言うまでもなく当然のことですね。
成人向けの同人誌を未成年が作っていることが判明した場合は責任を問われ、本の回収や返金などの事態になります。
全年齢で本を出したいので数字や評価を気にしない
これもかなり大事だと思います。
厳しいことを書きますが、全年齢の小説同人誌は本当に頒布部数が減ります。
同人誌はただでさえ年に一冊作れるかどうかなのに、何となく全年齢の内容を書いた結果ブクマも頒布部数も少なくて結局落ち込む……なんて嫌ですよね。
全年齢にしたせいで部数が減った、と思うよりは書きたいものを書いて楽しかったから数字は関係ないと思えるメンタルが必要です。
起承転結をつけられるなど、長編を書き慣れている人
成人向けの小説であれば、Rシーンを目的に読んでもらうことができます。
また、Rシーンを入れることで文字数も増えますし、起承転結もつけやすくなります。
そのため自然と物語にメリハリが付き、執筆に慣れていない方でも同人誌という形にできるだけの物語を書きやすくなるのです。
一方で、全年齢で書く場合はそれらのことを自分の筆力で全て補わなければなりません。
全年齢である程度の部数を頒布できるのは、
- きちんと起承転結のある物語を書ける
- ある程度物語の構成方法ついて理解している
- Rシーンが無くてもまとまった文字数が書ける
以上の能力がある方と言えるでしょう。
逆にいえば、それができる人は全年齢でも多くの部数を手に取ってもらうことができます。
全年齢の小説同人誌を頒布するのは控えておいた方がいい人
以下のような人は全年齢の小説同人誌を頒布するのは止めておくのが無難のように思います。
以上について解説します。
評価や数字を気にしがちな人
自サークルで比較した時、全年齢の小説が成人向けの小説の頒布部数を超えることはほぼありません。
数字を見て落ち込んでしまう気がする、という人はやめておくのが無難だと思います。
まだ小説を書き慣れていない人
Rシーンを入れることで文字数も増やせますし、起承転結も付けやすくなります。
また、特殊なプレイなどを取り入れることによって、筆力に関係無くそれを求めた人に手に取ってもらえる可能性があります。
小説を書き始めてまだ間もない、という方は無理をせず成人向け小説の恩恵を受けた方がいいように思います。
全年齢の同人誌の頒布部数を増やす方法
全年齢向けの小説同人誌をある程度の部数手に取ってもらうのは大変ですが、読みたいと思ってもらえれば勿論手に取ってもらえます。
筆者は全年齢の小説同人誌でも200部以上頒布しています。
全年齢の小説同人誌の頒布部数を増やす方法は以下の通りです。
以上について解説します。
長編を書く
言わずもがなですが、やはり文字数は多い方が手に取ってもらいやすくなります。
ハードルが高いですが、全年齢である程度頒布部数を増やそうとすると、最低でも7~8万字、できれば10万字以上書けるとかなり心強いかなと思います。
イラスト表紙にする
全年齢の本でも内容が良ければ手に取ってもらえますが、全年齢の同人誌のサンプルを投稿した場合、まずサンプルページを見てもらえないという問題から始まります。
イラスト表紙にすることで頒布部数が増えるかと言うと必ずしもそうではありませんが、少なくとも興味のある人は増やすことができます。
そうしてサンプルを読んでもらい、内容が良いと判断されれば、おのずと手に取ってくれる方も増えるでしょう。
表紙は相互の絵師さんなどにお願いしてもいいですし、SKIMAやココナラでイラストレーターさんに外注することもできます。
【SKIMA】 ココナラ同人誌の内容を全文公開する
効果があるとは限りませんが、こちらも一つの手です。
全年齢だとそもそもサンプルページを見てもらえない可能性が高いですが、ならば全文を公開してしまって見る人を増やそうという作戦です。
全文公開をすることでSNSでの拡散効果やpixivのランキング入りも見込めますので、宣伝効果としては絶大です。
ですがかなりリスキーな方法で、読んでもらった結果面白いと思ってもらえなければ、ほとんど手に取ってもらえなくなる可能性もあります。
一方で、内容は面白いはずなのにサンプルの閲覧数が低いために頒布部数が低迷しているという方には特に効果的です。
実際に全文公開をしたことで頒布部数が急に増えたという方も見たことがあります。
全文公開に効果があるかどうかは、普段投稿している全年齢作品のブクマ数から判断するといいでしょう。
全年齢の小説同人誌を書くメリット
これには様々な意見があると思いますが、個人的には全年齢の絵を主に書いている方に表紙依頼ができるということに尽きると思います。
筆者は表紙をぜひお願いしたい方が全年齢の依頼のみ受け付けている場合に、全年齢の本を書いています。
全年齢同人誌を作ると学生をターゲットにできるのではないかとも思いますが、イベントで全年齢作品を頒布していて学生と思しき若い人は見たことがありません。
全年齢を書くと自分の筆力を見直す良いきっかけになる
全年齢で手に取ってもらえる同人誌を作るのは難しいですが、全年齢で面白い話が書ける人はどの話を読んでいても本当に面白いですし、本もよく手に取られている印象があります。
自分の小説の書き方を考え直すきっかけにもなるので、表紙をお願いしたい方がいればそれを機会に挑戦してみるのもいいかもしれません。